2014年7月26日土曜日

第20章『心』 2014年7月14日~24日 がってんレポート

第20章 【心】 7/14~24


『ワンピースキャンプin網地島』の野外環境コミュニケーション講座5泊6日を行うにあたり、
多くの皆さまの支援と応援がなければ実現することはできませんでした。
お陰様で無事に終了いたしました。
ご報告とこの場をお借りしてお礼申し上げます。

島の方々や多くの仲間に支えられ、学生たちや子供たちは普段の暮らしの場から離れ、島でのキャンプ生活に『適応』して生きておりました。
彼ら彼女らの島での生きざまは、体験を通じて深く学びとなったコトと想います。
環境に適応し生き抜く力を自ら呼び覚ました彼ら彼女らに出会えたこと嬉しいです。ありがとうございました。

そして皆さまからお預かりした未来への希望のバトンは、
様々な思いと期待を胸に網地島に集まった大学生・高校生、そして石巻の子供たちに、
私たちスタッフの体を通じて手渡す事が出来ました。



2011.3.11の震源地に一番近い島の一つ網地島で、
日本各地から、いやいやカナダトロントからも参加してくれた大学生や、
石巻の子供たちを中心に自然と島の暮らしに向き合いました。
今は穏やかで碧い海の水を目の前に、
一度大地が動き出すと海が動き黒くうねるような海の水を知っている子供たちと共に過ごす時の中で、
子供たちの話の節々から嗅ぎ取れる震災当時の話は、
体験していない地域から参加した学生には大きなショックだったよです。

講座の前半は3日間ほど雨が降ったり止んだ入りの中のキャンプと言うサプライズがありました。
個人的なコミュニケーションが目立った講座の前半でしたが、
子供たちを迎えるにあたり、お互いの気持ちをむき出して話し合った夜。
ただただ分担作業のでやっていたキャンプ生活から、互いを助け合い・信じあい・気遣いあい、
被災地域の子供たちを受け入れる心が一つの輪を創りだしました。

今振り返ってみると、『さぁ!体の中に眠っているモノを目覚めさせよう』
学生たちと共に暮らした6日間の時間の色はこんな色だったなぁ・・・って、
そよそよと朝の空気が窓から入る北国に帰って今そう思いました。



圧倒的な力でキャンプ生活を支えてくれえた網地島自然。

一度雨が降りだせば3日間もジメジメと降り続き、雲が去りお日様が顔を出せば汗ばむ陽気。
時にそよ風が心地よく吹く昼下がりもあったし、星空がきれいな夜もありました。

なんでもボタンを押せば、簡単に知る事も出来るし、購入すれば簡単に手に入る時代。
ボタンを押し、キーボートを叩き、モノは購入することで、およそ対応できてる日々の暮らし。

風が吹けば雲を運び、雲が来れば雨が降り出す。
雨は強弱を繰り返し、次第に雲は次へと過ぎ去るコト。
雲が過ぎ去れば、太陽の日差しが差しこみ、
日差しは次第に西へと傾く。

文字として表すと理解しやすく、とてもとてもシンプルな自然の変化なのですが、
この変化をなかなか自分の暮らしに取り入れて活動し暮らしていくコトが、
普段の生活習慣が邪魔をしてなかなか苦労していた気がします。
そして自然を中心に物事を進めるには、
自然の変化に合わせて動き、やりたいことをやるには忍耐と努力が必要だということを気づいたコトと思います。



震災経験した子供たちは、
一歩ずつゆっくりとですが災害を通じて体験した事を深く学びとしてとらえ成長して居るを再確認しました。
『大きくなってもこの町でサッカーをしていたい』そんな言葉が印象的でした。



各地から集まった大学生や高校生もまた、
普段の生活では中々体験しにくい自然を通じて自分と向き合う事に正面からチャレンジしてました。



そしてスタッフもまた、
普段なかなか係る事が出来ない年齢の子供たちや学生と共に暮らし活動する中で、
新しい時代を築く若い世代の今を知る事が出来ました。

この6日間の中で、いろいろな出来事ありました。
最後の機材の片づけを子供たちの居なくなった静かな島の楽校で作業していると、
かまどの炎を前に、涙を流しながら訴えた学生たちの想いや、小学生の子どもが言った事を想いだします。

『かまどから立ち上る煙の匂い・・・その匂いが震災当時の避難所の匂いがする』

『海かぁ・・・』

『なんで何も言ってくれないんですか。言ってくれれば出来るのに・・・』

『火って暖かいね』

『もうやだよ・・・すべてが濡れている』etc

網地島の自然に抱かれ、
お陰様でこの6日間の『ワンピースキャンプin網地島』が開催できたと、
心より感謝いたします。



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『ワンピースキャンプin網地島』は、NPO法人smile-seed/NPO法人ジョイフル網地島によって共同開催され、全国のボランティア仲間の協力で開催する事が出来ました。

心よりお礼申し上げます。
ありがとうございます。

◎smile-seedの富士子さん、事前の準備から島の方々とのコンタクトや調整など、表に見えない部分を沢山やっていただきありがとうございます。

◎ジョイフル網地島の小野会長さんを始め、高橋さん、阿部とみわきさん他皆さんのお力があってこそ、島の魅力と自然と向きう暮らしを学生並びに子供たちが感じる環境にあったコトと思います。

◎和歌山チームのおざざ・うっき~ありがとうございます。食材の管理や学生たちとの魅力的な距離を保ってくれたからこそ、雨が降り続く中でも無事に活動出来ました。

◎NPO法人どんころ野外学校の本多さんありがとうございます。本多さんは学生や子供たちとスタッフのつなぎを絶妙なタイミングで保ってくれたからこそ、キッチンスタッフ・バックアップスタッフ共に活躍出来たと思っております。

◎はるなちゃん、写真処理やFBのアップなど細かな点や、常に手の廻っていない部分を丁寧にサポートしてくれてありがとうございます。

◎ひ~さんありがとうございます。南陽町の水害の現場から駆けつけてくれてありがとうございます。常に何かあれば島の中で動ける位置でのバックアップスタッフとして存在してくれたからこそ、現場スタッフも学生も子どもたちものびのびと活動できました。

◎なほちゃん機材の搬送や送迎など見えない部分のバックアップありがとうございます。

◎てるちゃん・うっちありがとうございます。離島と言う島での今回の活動を本土から常にバックアップしてくれたからこそ移動などがスムーズに進めるコトが出来ました。

◎そして『ガイドステーションわっか』は主管として係らせていただきました。

◆『コールマンジャパン様』キャンプ機材などのご提供があったので子供たちも無事に6日間キャンプする事が出来ました。
雨の中、大学生は自分たちの城であるテントを守りとおしました。街灯など少ない廃校を利用した『島の楽校』の校庭ではランタンが活躍しました。
太陽が照らす活動フィールドではタープテーブル含め学生や子供たちが存分に活動する為の憩いの場を作ってくれました。

◆チャリティーイベント『電影巨大紙芝居』を主催してくれたトリオデザインさん、町の子供たちに伝えてくれてありがとうござます。

このように多くの仲間に支えられ、
私は網地島で『ワンピースキャンプin網地島』にかかわるコトが出来ました。
ありがとうございます。

3年4か月の期間、20回に亘る東北へ渡航した、一人の災害系ボランティアの記録としてここに記しておきました。
これもひとえに、家族の支えが会って、暮らしの場の仲間に支えられ、全国の仲間に支えられ活動することが出来ました。
重ねてお礼申し上げます。

2014年7月14日月曜日

第20章 2014年7月14日がってんレポート

第20章 2014年7月14日~

海が暴れてから3年の月日がが流れた。
2年の月日が流れたころから僕は、
震源地に一番近い島の一つの網地島で、
学生や子供たちのキャンプを開催する為に足を運ぶようになっている。

そして今日、20回目の津軽海峡を渡ります。

家族に支えられ、地域に支えられ、暮らしの場の方々に支えられ、全国の仲間に支えられ、友に支えられ、
“力になれれば”の想いで歩ませていただいている。
復興に歩む東北の方々も、“支えられている”を肌で感じるコトは、“力”になると・・・今の僕は感じている。

行ってきます。


2013年9月22日日曜日

2013年9月17日 がってんレポート

9月17日

【希望】

いよいよ『ワンピースキャンプ』の最終日となりました。
朝から台風一過となって晴れ渡り清々しさを感じます。
予想進路がずれたコトによって網地島はさほど荒れるコトはありませんでしたが、
残念な事に京都滋賀福井などには大きな被害が出てしまいました。

最後の食事となり大学生が今朝もみんなの分を作ってくれました。

朝食後はお世話になった施設の掃除です。
シャワーにトイレ、キッチン、食堂、釜戸に体育館。
7人で手分けをして一斉に取り掛かります。



班ごとのチームワークもいつしか自然と動ける仲間となり、
自然と体が動き、鼻歌交じりの楽しい掃除となりました。

『自然は常に動いているもの』
僕は台風が網地島を目指して進路を向けた時に、
学生に言った言葉です。
人の心もまた自然だと感じます。

黒く渦を巻き、日常を一遍させた自然の海。
今は面影もないのだけれど、人々の心の中には強く残っています。
参加した学生や子供たちの心にもその面影が残っている子が居ました。
『海が怖い・・・』

最後に少し学生たちに添えた言葉でしたが、
『このキャンプで体感したことは即効性は少なく5年~10年~と経った月日の中で、
何気ない日常生活の中でふとした瞬間に、支えとなり、よみがえり、生きてくるでしょう』…。

一人でも学べる自然のコトや環境のコト。
他の見ず知らずの仲間と出会い時を共にする中で、
自分の中にある不安や希望が他者と通して客観的に映し出され、
他者を励まし支えあい、他者を励ましている自分に希望の種が芽生え、自ら発芽させている姿は、
見ていて苦しくもあり喜びでありました。

この作業を心の中で大人も学生も子供たちも島のおじさんたちも、
きっと何度もループしてたのではと感じます。
列島各地で起こってる災害。
その災害に直面している若者や子供たちは、
被災を通じて今まで経験したコトのない地球環境の動きを体感し深い学びとなって新しい日々を淡々と生き抜いております。
動くはずもないと信じていた海や山、川が動く事を知ったのですが、
その動く地球環境の動きを小さなヒントから見つけ出し、
地域での被害を最小限に留めるべく『気づく⇒行動する』切っ掛け作りが、
野外環境コミュニケーションだと思っております。
忘れていた自然とのコミュニケーションを呼び覚まし、
五感を研ぎ澄まし、その五感を使って他者とのコミュニケーションをよりスムーズにできれば・・・。

そして他者の存在を理解し、行動に移せる若者が今多くの被災地から出てくると僕は信じております。


『自然は動く』
耳をそばたて、
肌で感じ、
目を見開き、
言葉を掛け合い、
信じあい、
共に歩む未来を迎えたい…そう思うのです。

明るい台風一過の下、
名残惜しむ学生たちは、また日常へと船を進めました。

大人から大学生へ、大学生から子供たちへ、子供たちから島のおじい・おばぁへ、
全てがつながった『ワンピースキャンプin網地島6泊7日+1泊2日』でした。

:追伸:
今回参加した学生たちが来年再びこの網地島でキャンプをしたいと言ってくれています。


今度は彼らが企画して島のおじい&おばぁと共に小さな子供たちをアテンドしてくれる?
そんな彼らの自然な動き出しがとても嬉しいです。

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『ワンピースキャンプin網地島』は、
NPO法人smile-seed・ジョイフル網地島によって開催され、
全国のボランティア仲間の協力で開催する事が出来ました。

心よりお礼申し上げます。
ありがとうございます。

◎smile-seedの富士子さんやみゆきさんには、事前の準備から島の方々とのコンタクトや調整など、表に見えない部分を沢山やっていただきありがとうございます。

◎ジョイフル網地島の小野区長さんを始め、高橋さん、阿部とみわきさん他皆さんのお力があってこそ、島の魅力と自然と向きう暮らしを学生並びに子供たちが感じる環境にあったコトと思います。

◎和歌山チームのおざざ・うっき~・ぽんちゃんありがとうございます。食材の管理や学生たちとの魅力的な距離を保ってくれたからこそ、あの台風の中でも学生たちは笑顔を絶やさず歩む事が出来たと思っております。
◎ソラムチーム(ケイちゃん・ち~ちゃん)・わらび~ありがとうございます。チューターとして学生への様々な、成長への投げかけと距離をたもってくれたので、学生たちが自ら考え個性を発揮出来たと感じております。

◎NPO法人どんころ野外学校の本多さんありがとうございます。本多さんは大人とチューターチームのつなぎを絶妙なタイミングで保ってくれたからこそ、キッチンスタッフ・バックアップスタッフ共に活躍出来たと思っております。

◎ひ~さん・ぽんちゃん、常に何かあれば島の中で動ける位置でのバックアップスタッフとして存在してくれたからこそ、現場スタッフも学生も子どもたちものびのびと活動できました。

◎ぶんさん・ふきさん・あのちゃん・うっちありがとうございます。離島と言う島での今回の活動を本土から常にバックアップしてくれたからこそ移動などがスムーズに進めるコトが出来ました。

◎高木さん、子供たちとのバスの引率ありがとうござます。高木さんが居たから子供たちが路線バスで移動できました。

◆『コールマンジャパン様』キャンプ機材などご提供ありがとうございます。
台風の中、大学生は自分たちの城であるテントを守りとおしました。街灯など少ない廃校を利用した『島の楽校』の校庭ではランタンが活躍しました。
太陽が照らす活動フィールドではタープテーブル含め学生や子供たちが存分に活動する為の憩いの場を作ってくれました。

◆『JA摩周湖農協様』安心食材を沢山ありがとうございます。学生も子供たちも美味しい美味しいと食べる姿は、摩周農協さんが農家さんを駆け回ってくださったおかげです。

◆『GAKUBO隊の皆さま』、日本財団の黒澤さん、事前に島の楽校の自転車を直していただきありがとうございます。学生たちが島移動できたのも皆さまのおかげです。

このように多くの仲間に支えられ『ワンピースキャンプin網地島』6泊7日+1泊2日の7泊8日が無事に開催出来ました。

2013年9月21日土曜日

2013年9月14日~16日 がってんレポート

9月14日

【いとおしさ】

子どもたちの数が減ったのだけれど、
大学生は7名の子供たちを迎える為に出来るコトの全てを手を抜かず準備に取り掛かっております。
あまり寝ていないのだろうけれど朝食を焚火でぱっと作り、
AMの作業を分担してすぐに動き始めています。
トイレを掃除するもの、
道具を片づけるもの、
テントを張るもの、
キャンプファイヤーの準備をするもの・・・。



PMには残りの作業をする班と、
子供たちを迎えに行く班に別れました。




作業チームは作業を終わらせ網地港に到着する子供たちを迎えに。



ゲンキいっぱいの子供たちが網地島に上陸すると、
いよいよ筏レース開催です。
各筏に旗を立て、海にお礼と、筏に魂を入れて開会宣言。





碧い海に子供たち歓声と大学生たちの喜びの声が響きます。
浜辺には、島のおじい&おばぁの声援の声がコダマします。




スタートと同時に落ちる子供たちを筏に引き上げる大学生。
水が怖いと言っていたあの子も必死に漕ぎます。
負けるわけには行きません。
3艇の筏は競い合っているようでいて、
自分に挑戦している学生と子供たちに見えてしょうがありません。
浜ではおじい&おばぁが踊り始めます。


あの日襲った海の色は黒かった事を知っている子供たちと大学生。
今は碧い海水の上をまるで未来へ進む船のように・・・。
いとおしい。


優勝チームへ挑戦する島のおじさんたちのレースが開催される頃、
島の人と学生そしてスタッフと子供たちの輪がループし始めた感じがとてもうれしかった。
日がとっぷりと西に傾くまで、
みんなで海で遊びました。





この日の夕食作りは、
ほとんどスタッフはノータッチ。
大学生が子供たちと共に役割を決めて進めています。
夕食後は小さな焚火を囲んで、
大学生の企画したゲームの時間。
笑いあり、タイコありの焚火を囲む時間はとても楽しい時間となって夜も更けて行きました。


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9月15日

【生きる】

朝食作りも手慣れたものとなってきた大学生。
今大学生は子供たちに火の起こし方、ご飯の炊き方、食材の切り方を伝えています。
『知るコト・感じるコト・学ぶコト』は、
実践し、そして他者に伝えて、始めて理解し身に付くモノだと改めて感じました。
技術をただ教えるだけではなく、
微笑みとゆとりからくる優しさで子供と向き合っている姿が、
朝の時間を包んでおります。
しかし無情にも台風は刻々と近づいております。
自然の変化に合わせた地球時間が子供たちとの別れをせかします。

大学生が徹夜状態で作った子供たちへの金メダル。
そのメダルを子供かけてあげるころには、
子供たちと共に先に帰路に着く3名の大学生もまた寂しさに包まれて来ました。


『船が出るぞぉ~』その声は、
送り出す人の気持ちと島を出る寂しさが入交り、
流れゆく雲の下、互いに子供たちと学生は唇をかみしめていました。


しんみりとした気持ちと裏腹に、
刻一刻と近づいてくる台風の気配。
学生たちの次の予定プログラムに自然の変化は合わせてくれず、
無情にも徐々に雲行きが怪しくなりいよいよ降り出す雨。


11時には緊急ミーティングを開始します。

人々の都合を優先した時間から、自然=地球時間に大きくシフトです。
まずは台風の進路予測と速度の話から。
そこから割り出し今後の対応する手順を決めます。
一番先にしなくてはならないこと、それは・・・。
風が吹き始め、雨粒が大きく叩き付けるように降り始め、
あっ!と言う間の出来事でした。



みんなで力を合わせて、テントを補強し、側溝を堀り、荷物をテントから本部に移します。

明日には台風本体がやってくる。
今日は数日間の疲れを癒すため、
夕食後は避難所で寝ることに決め20時には皆泥のように眠りに着きました。

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9月16日

【地球時間】

早朝から島の高台にある『島の楽校』にも、
轟々と高波の音が聞こえてきてます。
徐々に台風が近づいている事が解ります。

既に彼らたちは調理の為の火熾しはお手の物です。
さっと朝食を作り、台風対策へ向けての準備を開始します。




筏をバラし、使わないテントをたたみ、用具を片づけ…etc。
せわしく動きます。

風の合間を見て昼食を作り、
暴風圏に突入する前に周囲を見渡し安全地帯を探します。
時速60キロで近づく台風ですから、
残された時間はあとわずか・・・。

吹き返しの風の方が強いと見極め、
近づく風の対応よりも過ぎ去った後の風を交わす地点を探し出します。
『自分たちの城でもあるテントをなにが何でも守り抜け』
このコトがこの台風での最大のミッションです。


テントを潰さずに移動開始です。

ウインドリーダーを先頭に立て、
風を感じたらテント運搬チームを立ち止まらせ、
風が凪いだら進める役割です。

何度も立ち止まっては風待ちし、そして進むの繰り返しをしながら安全地帯にテントを運びだします。
この間に有した時間は40分。
既に40キロは暴風圏が近づいてきている計算です。
残された時間は後50分。
地球時間の変化を時計が刻々と知らせてくれます。



テントを固定し、
既に引きちぎられた箇所を補強しながら安全地帯に固定します。
風の影響を最小限にするために、テントの向きやペグの角度、補強のロープの位置を丁寧にチェックします。
暴風圏に入る15分ほど前にはすべての作業を終了し、
学生たちを避難施設に移動させ台風を迎えました。

避難施設では、お世話になった島の方々へのお礼の品作りが始まっています。
ホームステイ先の表札作りと島の楽校へのプレゼントの旗作りです。




台風も相成ってなのでしょうか、
学生たちは楽しげにフェイスペインティング!

日も西に傾き落ちる頃、
網地島は暴風圏を抜け、
がんばったみんなにステキな夕日のサプライズ。
一生忘れることの出来ない夕日となりました。



学生たちの勢いは既に台風を越え、
学生たちがスタッフも含めた全員分の夕食を作ってくれるコトに。


残りの食材を見て献立を決めると言う素晴らしさでした。

2013年9月20日金曜日

2013年9月12日、13日 がってんレポート

9月12日
【他者の理解】

ホームステイ先ではとてもいい時が流れていたそうです。
孫のような年齢の学生たちを受け入れてくださりありがとうございます。



学生たちは、ホームステイに出かける前とは違う顔で自転車に乗って帰って来ました。

お茶を飲みながらあんなコトこんなコトいっぱいお話を聞きました。
明るい笑顔、仲間を気遣う気持ちがひしひしと感じます。
少しほっとしました。

日が西に傾く頃に、
今夜のプログラムであるソロキャンプ作りです。
自分の今夜の寝床を決めて、
270×270のシートと12メーターのロープそして、そこらにある自然素材だけで『マイテント』を作ります。
木を切るコトは認めません。
まずはデザイン起こしです。
各自『自分流』のシェルターをデザインし発表します。
仲間一人ひとりのデザインをみんな食い入るように見つめます。





笑いが起こるデザイン、う~んと唸るデザイン、かわいい感じのデザイン、個性がキラキラ光り始めています。
共に起こしたデザインをいよいよ具現化します。




デザインに忠実な人、
まったくデザインとは異なるシェルターを作る人、
丁寧に仕上げる人、
個性が輝きます。
その個性を共に感じ始めた大学生です。
違っていていいんだよ。違いがあるコトを理解し、喜び会う時間がそっと流れていました。

今夜は星が出るでしょうか。
お休みなさい。

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9月13日

【向き合う】

朝7時半フライパンを叩く音でソロキャンプ終了です。
温かなすいとんを食べながら、夜一人で過ごした時間をシェアします。


今日からのプログラムはいよいよ24名の小学生を迎えるためのディスカッションがメーインとなってきます。
このディスカッションの時間辺りから、台風18号の動きが見え始めその対応の動きがにわかに忙しくなりました。
刻々と変わる自然環境、判断・決断・実行の連続です。
14日からの2泊3日での子供たちの参加だと16日の解散に日に台風が
網地島に直撃すると言う予測から、
14日・15日のAMでの1泊2日での開催。
ただ15日のAMにも島から出れる保証がないかもしれない、その場合は17日以降の解散となる。その条件で参加の可否を再度決めて欲しいと
明日合流する子供たちの親御さんに連絡を取り始めます。
現場の時間は自然の変化に合わせた地球時間に舵を切り始めます。
東北の学生が多い為、台風と言う存在をあまり知らないようです。

大学生たちにも情報をリリースし始めます。
16日は島から出るコトは出来ないだろう。
15日のAMに出るか、17日のPMに出るかの各自の判断を重視します。
各自の予定と向き合いました。
昼までには、
15日に帰路に着く大学生は3名
17日に延長する大学生が7名と決まりました。


筏レースも1日繰り上げ明日の14日の午後に開催するコトに決定。
その為には今日中に筏を組みあげる必要があります。
ディスカッションを繰り返しながら、
白浜海岸に出て筏を完成に目指します。







夕方には無事に筏が完成しテストする事ができました。
同時刻頃残念ではありますが、
子供たちの参加も7名と決まりました。

学生たちは台風に向き合い、自然に変化にも徐々に敏感になってきています。
今となっては、食材の用意から火お越し、調理まで1時間ほどで出来るようになってなっております。
チームワークそして他者の個性の認識共にバランスが取れ始めています。
ある意味台風に感謝です。



夕食も終わり深夜遅くまで大学生は、
役割分担と安全確保を話し合っております。
これまでの島での経験が彼をしっかりと支えてくれています。